破体書ギャラリー
山不厭高
「 山 」 「 厭 」…金文
「 不 」…隷書
松本筑峯 著
山は高ければ高いほど、威容があってよい。徳を積み体得することは、多ければ多いほどよい。「山」の表現に苦労する。魏武帝、短歌行に「山不厭高、水不厭深…」とある。
蒼鳥群飛
「 蒼 」 「 鳥 」…金文
「 群 」…隷書
松本筑峯 著
楚辞屈原に「蒼鳥群がり飛ぶ、孰(たれ)か之(これ)を萃(あつ)まらしむ」強くて気性の激しい鷹が群れ飛んでいる。いったい誰がこれを集めたのだろう。 これは勇猛果敢な周の軍隊を、猛禽の鷹に喩えてほめそやした言葉。蒼鳥は濃淡で遠近感を、群飛は群がり飛ぶ大軍勢のイメージを強調する。
大椿寿
「 大 」 「 椿 」…金文
「 寿 」…隷書
松本筑峯 著
古代中国の伝説から来た長寿を祝う言葉。 荘子の「逍遥遊」に上古に大椿あり、八千年を以て春とし、八千年を秋とすとある、つまり大椿は三万二千年ごとに年輪を加えることになる。
日升月恒
「 日 」 「 月 」…金文
「 恒 」…隷書
松本筑峯 著
日の出と上限の月。ますます盛んになること。物事が向上発展するたとえ。 上限の月は、新月(三日月)から満月になる間の半月をいう。月は、日没と同時に南中し、右半分が鮮やかな輝きを見せ、活気に満ちている。真夜中になると、弦を上にして月は、入りとなる。
北斗泰山
「 泰 」 「 斗 」…隷書
「 山 」 「 北 」…金文
松本筑峯 著
泰山は、中国五岳の一つで、山東山脈の主峰。名山としても知られる。北斗は、北斗七星。いずれも仰ぎ見るものであるところから、人々に尊敬されることをいう。泰斗ということが多い。山頂の直線状に、「斗」の縦面がきて、バランスをとる。「北斗」「泰山」を仰ぎ見る斜線上に配すことで、右上と左の空間が生きてくる。
泥中蓮(泥中の蓮)
「 泥 」…隷書
「 蓮 」…金文
松本筑峯 著
蓮の花は、どんより澱んだ泥の中に咲いていても、美しく清らかに見えることから、まわりの汚れた環境に染まらないで保つことのたとえ。 没骨法(一筆で濃淡表現をすること)の淡墨による、蓮の花の表現。「中」は、泥水に映る蓮の葉のイメージ。「中」の縦面の動きで、「泥」と「蓮」に造形上の関連性が生まれる。
泥中蓮(泥中の蓮)
「 泥 」…隷書
「 蓮 」…金文
松本筑峯 著
蓮の花は、どんより澱んだ泥の中に咲いていても、美しく清らかに見えることから、まわりの汚れた環境に染まらないで保つことのたとえ。 没骨法(一筆で濃淡表現をすること)の淡墨による、蓮の花の表現。「中」は、泥水に映る蓮の葉のイメージ。「中」の縦面の動きで、「泥」と「蓮」に造形上の関連性が生まれる。
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